ソフトインストールログ(Solaris 10 for SPARC)


ここは本学の情報処理センターのワークステーションにインストールされたフリーソフトのインストールログを後の記録のために残したものです。 お気付きの点がございましたら、電子メールにてお知らせください。


Solaris 10 の SPARC マシンへのインストールについては、次の文献などが参考になります。

Software Design, 2005年5月号

Solaris 10 は大規模なサーバとかでもない限り基本的に無償で使えるようになりました。 入手は Sun のサイト(http://jp.sun.com/solaris/10/)からたどってダウンロードできます(無償のユーザ登録は必要ですが)。 DVD イメージファイルも用意されているので、DVD がついてるマシンならその方が楽ですが、今回の対象マシンは古いマシンで CD しかついてなかったので、CD の ISO イメージファイルをダウンロードして CD-R に焼いて使いました。 必要なファイルは、

いずれも数百MBあるのでブロードバンド環境が必要でしょう。 zip ファイルを解凍して CD-R に焼くのはパソコンでいいですが、v3 だけは 650MBを超えてしまうので 700MB のメディアが必要でした。 後は v1 で boot してインストールするだけです。 メモリが 384MB 以下しかないと GUI インストールができずテキストインストールになります(今回は"たった"128MBしかないマシンだったのでテキストインストールしました)。 全体ディストリビューションをインストールするには 10GB 程度必要のようです。 x86版では 4〜5GB 程度と思ったのでずいぶん大食いです。 最小限のコアインストールなら 6GB 程度のようですが、これだと後から何かインストールしようとしたときに何もできなくて困るようです。 最近のマシンなら問題ないのでしょうが、今回は古いマシンで 9GB×2 を RAID にしてたマシンなので、RAID を解除して 18GB でインストールしました。

従来同様に Companion CD をインストールしておくと、/usr/sfw や /opt/sfw にフリーソフトがいくつもインストールされます。 Solaris10 になってより新しいバージョンのものが入るようになったようです。 代表的なものを上げると、

/usr/sfw/bin には、
ImageMagick 5.4.7, flex 2.5.4, gcc/g++/g77 3.4.3, gimp 2.0.2, gmake 3.8.0, gs 7.07, gtar 1.14, mysql 12.21, ncftp 3.1.5, python 2.3.3, wget 1.9.1, zsh 4.2.1, などなど

/usr/sfw/sbin には
TCP Wrapper, Samba 3.0.4, MySqld 12.21 など

/opt/sfw/bin には
Gnome, automake 1.8, bison 1.875, cvs 1.11.17, emacs 21.3.1, fetchmail 6.2.5, fvwm2, gcc/g++/g77 2.4.2, gawk 3.0.6, gimp, gmake 3.80, gnuplot 3.7p3, gview, lynx 2.8.4, netpbm(の一部?), ruby 1.6.4, rsync, wmaker, xemacs 21.4.15, xfce, xmms, xterm などなど

/opt/sfw/sbin には
imapd, ipop3, など

があります。 gcc などのように両方にインストールされているものもありますが、gcc については /usr/sfw/bin のものが 3.4.3 で /opt/sfw/bin のものは 3.4.2 でした。 一般的には新しいものの方がいいかもしれませんが、/usr/sfw/bin の方だと libstdc++.la のサイズが 0 で(多分)これが原因でエラーが出る場合があるようです。


システム標準のツールも比較的新しいものが入っていますが、注意が必要なものもあります。 例えば perl は /bin/perl としてインストールされていて、実体は /usr/perl5/5.8.4/bin/perl にあるように 5.8.4 というわりと新しいものがはいっていますが、インストールに標準の cc を使っているようで Config.pm が cc を使うようになっており、cc がインストールされてない場合(デフォルトではこうですね)、 perl モジュールなどの make に失敗します。 今回は仕方ないので、perl 5.8.6 を /usr/local/bin にインストールしました。 多分こちらで作成された Config.pm を元にシステム標準の perl の Config.pm を修正してやれば標準の perl も使えるようになるはずですが。
(後からの注:/usr/perl5/5.8.4/lib/Sun/Solaris/PerlGcc/Config.pm に gcc を使う設定の Config.pm があるので、これを標準の /usr/perl5/5.8.4/lib/sun4-solaris-64int/Config.pm に置き換えればいいようである。参考:UnixUser 2005年8月号、のに子のチャレンジざわーるど)


多くの場合これで足りますが、足りない場合はパッケージ化されたものを導入するという手もあります。 手順としては例えば次のようになります。

・パッケージを get し、/tmp で gunzip して、tar xf する。
・pkgadd -d /tmp tcsh とする(/tmp はファイルを置いた場所)。
この方法の利点は、インストールが簡単である上に、pkgrm で容易に除去できることでしょう。
以前は SunSITE で入手できましたが、最近では以前の SunSITE.unc.edu は、
http://www.ibiblio.org/
に変わっているようです。ここの Public FTP Archives には Solaris の freeware が、
ftp://ftp.ibiblio.org/pub/solaris/freeware
としてあります。

これとは別のパッケージが置いてあるのが、
http://www.sunfreeware.com/
で、こちらのパッケージをダウンロードした場合は、

・パッケージを get し、gzip -d hoge.gz で解凍する。
・pkgadd -d hoge とする(hoge は解凍したファイル名)。
のようにします。


上記の2つのサイトは以前からあるものですが、Solaris10公開に合わせて 2005年初頭から NSUG (Nihon Sun Users Group) のパッケージダウンロードサイトが使えるようになっています。
http://dld.nsug.or.jp
Solaris 8, 9, 10 に対応した SPARC版, x86版のソフトウェアパッケージが公開されています。
(後からの注:NSUG は残念ながら 2007年6月末で活動休止だそうです。)


後からの補足: 別マシンに Solaris10 11/06 版を入れました。 この版ではパッチ当てが簡単になっていて、/bin/updatemanager を起動し、アップデートサイトに接続してアップデートできます。 (OSなどを入手した時のユーザIDとパスワードは必要ですが。) 一部のカーネルパッチは手動で当てる必要がありますが、その場合はシングルユーザで smpatch -i パッチID、などとして当て、後は updatemanager に任せます。 (マルチユーザで当てられないパッチは再起動をした際に自動的にあたります。 ただし、画面メッセージに出るとおり reboot ではダメで init もしくは shutdown コマンドで再起動する必要があります。) また、companion CD の入れ方も変わり、OSインストール時には別途インストールするか聞いてこないので、OSインストール終了後、companion CD をセットし、README ファイルの指示に従ってテンポラリディレクトリに指示ファイルを作成し、それを指定して pkgadd コマンドを使えば全部をインストールできます。


後からの補足2:inetd 経由で起動するサービス(telnet や ftp)に対してはデフォルトではtcp_wrapper によるアクセス制御が効かない。 これを効くようにするには、/usr/sbin/inetadm -p として tcp_wrappers=FALSE となっているのを確認し、/usr/sbin/inetadm -M tcp_wrappers=TRUE として tcp_wrappers のプロパティ値を変更する。 これにより telnet や ftp でも tcp_wrapper によるアクセス制御が効くようになる。


これ以外のソフトについては以下参照。

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