日本では人気がないと言われる5ドア車について、fj.rec.auto に投稿した記事などを元に雑文を書いてみました。 (メモがわりに書いたものなので読みにくくてすいません。時間があれば読みやすくします。)

# ここで5ドア車として触れているのは一般的な5ドア車のうちの一部です。 リヤゲートがある程度寝ているもの、ぐらいかな。具体的には下記の文章のとおりです。

1. 5ドアはベストバランス?

車にどのような機能を期待するか、というのは人それぞれでしょうが、私の場合はスタイル、実用性、積載性といったあたりをこの順番で期待します。 スタイルの好みはそれこそ趣味の問題ですが、私は(ちょっと古い考えかもしれませんが)伝統的なクーペスタイルの流れをくむのが好みです(この点から現在はやりの一部の大型ミニバンやボックスタイプの車はちょっと、、ということになります)。 実用性は独身のころは自分一人またはもう一人載せる程度が多かったので2ドアでもかまわなかったんですが、現在のように結婚して子供までいるとやはり4枚ドアは必要になります。 積載性からいうとやはりリヤゲートが大きく開くことと、後部座席を倒すとかしてフラットな荷室ができれば大きな荷物がつめてなにかと便利です(私の経験では運動会時にテントを積んだり、自転車を積んだりできて便利でした)。

こうした点から5人乗車までの範囲で考えれば5ドア車というのはベストバランスと考えています。

2. 独断と偏見の5ドア車の例

以前からすぐれた5ドア車はあったかもしれませんが、私が自分で車を持ち出して以降で考えると(1980年代中盤以降?)、最初に注目したのはホンダのクイントインテグラでした。 今ではインテグラとして独立車種になっていますが、最初はクイントという車の派生車種でした。 この車はセダンとクーペのスタイルを絶妙に融合していてリトラクタブルライト使用によるすっきりとしたフロント回りも合わせて今でもセダンとクーペの融合スタイルという点では最も成功した例と思います。

もう少し後になるとマツダからランティスとアスティナという2種の車が出ていました。 ランティスは2000クラス、アスティナは1500クラス主体でしたが、これらはマツダが「4ドアクーペ」と称していたとおり、ハッチバッククーペのスタイルを元に4枚ドア化したものと考えられます。 アスティナの方はやはりリトラクタブルライトですっきりとしたスタイルに収まっていました(それに比べるとランティスはちょっとフロントに精悍さがたりないかなあ、と個人的には思いました)。 マツダからはカペラにもすぐれた5ドアがありましたし、これは次のコロナと同様に主にヨーロッパ向けの車種だったようです。

トヨタからはプレミオになる以前のコロナの時代には必ず5ドアの設定があり、これはセダンをベースとしてハッチゲートにしたものと考えることができます。 こちらもスタイルのまとまりぐあいは代代なかなか優れていたと思います(もう少しセダンと差別化してスポーティな顔つきにしていてもよかったような気もしますが)。 私の現在の愛車もコロナの5ドア(SFと称している)です。 コロナの場合はヨーロッパでも同一車種が売られていたので、ヨーロッパで人気の高い5ドアの設定があったようですし、やはり競争が激しい車種ということである程度力のはいったものになっていたようです。

日産ではプリメーラにも5ドアがありました。 以前は英国仕様のUKバージョンとかもあってこれは上記コロナと同様にセダンベースの5ドアとしてよくまとまっていたと思います。

三菱のギャランにも以前は5ドアの設定があり、これはスポーティなイメージで売っていて好感が持てました。

現行車種ではトヨタのアルテッツァジータもうまくまとまっていると思います。 こちらは元々アルテッツァがスポーツセダンでしたから、その流れで走りを感じさせるスタイルになっていていいと思います。

以上にあげた車種と同一カテゴリと思われるもので、いまいち失敗だったかな、と思われる例もあげます。

日産からはパルサーに5ドアの設定がありましたが、これは私の好みからするとスタイルのバランスが崩れて見えてそそられませんでした。

トヨタからスプリンターの派生車種として出ていたシエロもリヤまわりの処理がいまいちスマートにいってない印象を受けて、買おうとまでは思わなかった記憶があります。

スバルのインプレッサもこのカテゴリかもしれませんが、こちらはよりワゴンに近い形状で、この点が私の好みにはいまいちマッチしませんでした。

これと似たような車種にはホンダのアコードワゴンもありますが、こちらの方がうまくまとめたスタイルになっていると思います。

逆にマツダのファミリアsワゴンは名前のとおりワゴン色がつよく、ちょっとという印象です。

また他にも5ドアと言える車としては、トヨタのスターレットや現行のアレックス/ランクス、ヴィッツ、日産のマーチ、ホンダのシビック、といったあたりがあると思いますが、これらは最初にあげたセダンとクーペの融合というよりはクーペ色が弱く、ヨーロッパでいえばゴルフあたりと同一カテゴリの車です。 上記にあげた車種との違いはリア回りがコンパクトにまとまっていて(リヤがより立っていると言ってもいいでしょうか)、微妙に違うものと思います。 (微妙な違いなのでよくわかっていただけないかもしれませんが)

3. なんで人気ないのだろう?

個人的な考えでは、スタイルがうまくまとまっていれば5ドア車は多くの利点を持っているように思われます。 トランクが室内とつながっているのをいやがる人もいるようですが、通常ハッチゲートを閉じた状態ではセダンと同等の独立したトランクになります。 ヘタをするとバランスを欠いたスタイルになる危険性が高いのも事実かもしれませんが、上記にあげたようにすぐれたバランスを実現している車種もたくさんあるので、このあたりはデザインの問題でしょう。

人気がないおかげであまり同一車種に出くわさないのはかえって利点と思っていますが、あまり人気がないとモデルチェンジの時になくなってしまうのでそれが困った点です。(コロナなどのように日本でなくなってもヨーロッパでは5ドアが残っているものもあります。)

この点、最近発表になったマツダのアテンザは5ドアを前面に出して売ろうとしているようで、実際に5ドアのスタイルもよくまとまっていて好感が持てます(マツダはカペラあたりでの伝統があるのかもしれません)。

私個人としては家庭の事情で5人を超える乗車ができる車種を検討しているところなのですが、これはこれでMT問題という大きな問題があって困っています。 このあたりの事情は別ページにまとめてあります。

今後ともすぐれた5ドア車が生き残り続けることを願ってやみません。

2002年5月29日(金光記)