SFITSIOとSLLIB

:

[みさと天文台の山内と C-SODA/ISASによる FITS 入出力とデータ解析のライブラリ]

SFITSIOは、みさと天文台の山内とC-SODA/ISAS8との共同開発による、CとC++の利用者をターゲットとしたMediumレベル(CFITSIOよりHighレベル)のFITS I/Oのためのライブラリである。 SLLIBは、C++環境上で「ストリーム」「文字列」「多次元配列」をスクリプト言語のように扱えるようにする(C++標準ライブラリに欠けているAPIを補う)ための、科学分野向け基本ライブラリである。 宇宙研の基幹ソフトウェア開発で採用され、C-SODA/ISASによる公式サポートソフトウェアである。

SFITSIOとSLLIBはC++で書かれているが、その設計方針として、利用者を平均的なコーディングスキルを持つ科学者に設定しており、利用者に一般的なC++の作法の修得やクラスの内容を書く事を強制する事は無い。 したがって、これまでC++を敬遠されてきた方でも簡単に利用可能である。 現行の 1.4系列では、SIMD命令を使った高速化に加え、FITS 中の多次元配列をIDLのような記法(例えば,“$ 0:99,*$”)で扱い、新たに追加される統計用関数を使って最も基本的なデータ解析ができるようになった。

SFITSIOが対応しているHDUは、イメージ、アスキーテーブル、バイナリテーブル(可変長配列も低レベルAPIで対応)で、WCSToolsやWCSLIBとの連携も簡単である。 ネットワーク経由(http,ftp)や圧縮ファイル(gzip,bzip2)、パイプ経由のストリームも特別なAPIなしでアクセス可能である。 Linux, FreeBSD, MacOSX, SolarisとCygwinに対応しており、FITS ライブラリとしては唯一、日本語マニュアルが整備されている(英語マニュアルもある)。 最新情報は下記から。

http://www.ir.isas.jaxa.jp/~cyamauch/sli/



Osamu Kanamitsu
2019-02-15