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キーワード

【Primary ヘッダのキーワード】
Primary ヘッダには次のキーワードが必須である。


表 1: Primary ヘッダの必須キーワード.
1 SIMPLE
2 BITPIX
3 NAXIS
4 NAXISn, n= 1, ..., NAXIS
  &vellip#vdots;
  (other keywords)
  &vellip#vdots;
last END


SIMPLEを除くキーワードは、すべての FITS ヘッダに必要であり、SIMPLEキーワードは Primary ヘッダには必ず必要である。 SIMPLEキーワードと NAXISnキーワードの間には表にある以外の他のキーワードを挿入してはならない。 また、SIMPLEキーワードを extension ヘッダに書いてはならない。

Primary データ配列の総ビット数は次のように与えられる。


NBITS $\displaystyle =$ $\displaystyle \vert$BITPIX$\displaystyle \vert \times$  
    $\displaystyle ($NAXIS1$\displaystyle \times$   NAXIS2$\displaystyle \times \cdots \times$   NAXISm$\displaystyle ),$ (1)

ここで NBITSは非負で、最終レコードのデータ部分の残りを埋めるための空白部分を除いたビット数で、 mNAXISの値、BITPIXNAXISnは各々のキーワードに附属する値である。

各々のキーワードの意味は

SIMPLE
論理値 T又は Fを持ち、この規格に適合するかどうかを示す。

BITPIX
整数値を持ち、データのビット数を表わす。有効な値は下記の通り。

NAXIS
999 以下の非負の整数値を持ちデータ配列中の軸の数を表わす。

NAXISn
非負の整数値を持ち、n番目の軸の大きさを表わす。

END
値を持たず 9-80 桁は空白。ヘッダの終わりを表わす。


表 2: 有効な BITPIX値の説明
 値 データ表現
8 文字または符号無 2 進整数
16 16 ビット 2 進整数 (2 の補数)
32 32 ビット 2 進整数 (2 の補数)
64 64 ビット 2 進整数 (2 の補数)
-32 IEEE 単精度浮動小数点   
-64 IEEE 倍精度浮動小数点   


extension を使用する場合にはさらに Primary ヘッダに次のキーワードが必要となる。これは NAXISより後で NAXISnの直後に置く。


EXTEND
論理値 Tを持つ場合、そのデータセットに extension がある可能性を示す。

【extension ヘッダのキーワード】
extension のヘッダは次の表のキーワードを必須とする。 XTENSIONキーワードと NAXISnキーワードの間には表にある以外の他のキーワードを挿入してはならない。


表 3: 規格にあった extensions の必須キーワード
1 XTENSION
2 BITPIX
3 NAXIS
4 NAXISn, n= 1, ..., NAXIS
  &vellip#vdots;
  (other keywords, including ...)
  PCOUNT
  GCOUNT
  &vellip#vdots;
last END


extension data 中の総ビット数は、次の式で与えられる。


NBITS $\displaystyle =$ $\displaystyle \vert$BITPIX$\displaystyle \vert \times$   GCOUNT$\displaystyle \times$  
    $\displaystyle ($PCOUNT$\displaystyle +$   NAXIS1$\displaystyle \times$   NAXIS2$\displaystyle \times \cdots \times$   NAXISm$\displaystyle ),$ (2)

ここで NBITSは非負で、最終レコードを満たすため、つけ加えられる空白を除いたビット数、mNAXISの値、 BITPIX, GCOUNT, PCOUNT, NAXISnは各々のキーワードに附属する値である。

各々のキーワードの意味は

XTENSION
extension のタイプを示す文字列を持つ。

PCOUNT
整数値を持ち、パラメータ配列 group 中のパラメータ数を示す。

GCOUNT
整数値を持ち、パラメータ配列 group の数を示す。

【他の予約されたキーワード】
他にも必須ではないが、予約されているキーワードが多数存在する。詳しくは原版(NOST-100-2.0 の 5.4.2)を参照していただくこととし、ここでは概略を、HDU の History や 物理構造を記述するもの、観測を記述するもの、書誌を記述するもの、コメント、配列を記述するもの、Extension を記述するもの、の順に言及する。

DATE
YYYY-MM-DD 形式または YYYY-MM-DDThh:mm:ss[.sss...] 形式の UTC での HDU が作成された日付。 YYYY は 4 桁の西暦、MM は 2 桁の月、DD は 2 桁の日であり、時間も記述する場合は Tを区切り文字として、hh が 2 桁の時間、mm が 2 桁の分、ss が秒 (小数点以下はオプション) である7

ORIGIN
FITS ファイルを作成した機関を示す。

BLOCKED
このキーワードはデータセットの実ブロック長が論理レコード長の整数倍であり必ずしも等しくないことを示すため導入されたが、現在は使わない方が良い。

DATE-OBS
観測日時を UTC で表わしたもの。8

TELESCOP
データ取得に使われた望遠鏡。

INSTRUME
データ取得に使われた機器。

OBSERVER
データを取得した観測者。

OBJECT
観測された天体名。

EQUINOX
ヘッダまたはデータ中に与えられた位置を表わすのに使われた座標系に対する equinox を年単位で浮動小数点表示したもの。

EPOCH
FITS ではこのキーワードは使われるべきではない。EQUINOXを使うこと。

AUTHOR
データを編纂した人の名前。出版物や多数のデータソースから作成されたデータの場合に適用される。

REFERENC
データが出版物から取られた場合の出典。

COMMENT
値を持たない('$ =$' 不要)。注釈のために使う。いくつ書いてもよい。

HISTORY
値を持たない('$ =$' 不要)。データの処理の履歴を書く。いくつ書いてもよい。

``空白''キーワード
1-8 桁が ASCII のブランク。9-80 桁は何を書いてもよい('$ =$' 不要)。いくつ書いてもよい。

BSCALE
浮動小数点値で BZEROキーワードとともに配列のピクセル値が真の物理値と違う場合に真の物理値に変換するのに使う。指定がない時のデフォルト値は 1.0 である。

BZERO
浮動小数点値で BSCALEキーワードとともに配列のピクセル値が真の物理値と違う場合に真の物理値に変換するのに使う。デフォルト値は 0.0 である。

BSCALEBZEROを使った変換方程式は次のようになる:

物理値 $\displaystyle =$ BZERO$\displaystyle +$   BSCALE$\displaystyle \times$   配列値 (3)

BUNIT
配列の値に BSCALEBZEROを適用したあと、表わされるデータの単位を示す文字列。

BLANK
整数データ配列に対して物理値の定義されていない配列値を表わす整数値を指定する。

CTYPEn
n番目の軸の物理的な意味を表わす文字列。

CRPIXn
n番目の軸上の参照点の位置を軸のインデックスで表わし、浮動小数点値を持つ。この値は 1 から NAXISnまで 1 ピクセルあたり 1 ずつ増加するカウンタに基づいている。

CRVALn
CRPIXnで示される参照点が、CTYPEnで示される座標上のどの値に対応するかを表わす浮動小数点値を持つ。

CDELTn
CRPIXn参照点で評価された、ピクセルインデックスに関する CTYPEnで表わされる座標の増分を与える浮動小数点値。

CRPIXn, CRVALn, CDELTnを使った n軸上の点の物理値は次のようになる:

n軸上の点の物理値 $\displaystyle =$ CRVALn$\displaystyle +$   (ピクセル値 - CRPIXn)$\displaystyle \times$   CDELTn (4)

CROTAn
CTYPEnで表わされる座標系から配列値が実際に表わす座標系への回転を表わす。浮動小数点値で n番目の軸と CTYPEnの座標系との間の回転角を degree で表わす。

DATAMAX
配列中の最大値の浮動小数点値。有効な物理値の最大値。

DATAMIN
配列中の最小値の浮動小数点値。有効な物理値の最小値。

EXTNAME
FITS ファイル中の XTENSIONと同じ。

EXTVER
同じ XTENSIONEXTNAMEを持つ異なった extension を区別するために使う。整数値。

EXTLEVEL
extension ヘッダ中の extension 階層内のレベルを表わす整数値。


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平成19年2月9日