ヒノキ(ヒノキ科)
マツ・スギ・ヒノキの仲間(球果類[conifer])の胞子葉の集まりは"cone"といい、ここでは「錐」と直訳している。錐には雌雄があるので、小胞子葉が集まった錐を花粉錐[pollen cone]/雄錐[male cone]/小胞子錐と呼び、大胞子葉が集まった錐を種子錐[seed cone]/雌錐[female cone]/大胞子錐と呼ぶ。
"cone"を「球果」と訳す方が一般的で、また、送受粉時の"cone"だけ「球花」と区別することもある。さらに、花粉錐を「雄花」、種子錐を「雌花」と呼ぶこともある。
シュート
樹幹
実生
花粉錐
細かく枝分かれした枝先に1つ(まれに2つ)ずつ花粉錐がつく。
赤く色づいた花粉袋が鱗片を中から押し広げるようにして露出しているが、まだ花粉は出ていない。
花粉をだしている花粉錐
花粉放出前の花粉錐(えんじ色)と放出後の花粉錐(わら色)が入れ混じっている。
種子錐と受粉
枝先の褐色部が種子錐。鱗片のすきまに見える小さな水滴が受粉中のしるし。
種子錐を拡大したところ。鱗片に抱かれるように胚珠がある(下から3対目までは4つずつ、4対目は2つずつ)。胚珠の先端の珠孔から分泌された水滴(受粉滴[pollination drop])がきらきらと光っている。受粉滴は付着した花粉とともに珠孔に吸い込まれ、花粉は胚珠の中に運ばれる。
スギと同様、種子錐は花粉錐より先端の高い枝にかたまってつく。
受粉から約1ヶ月後の種子錐。鱗片がふくれて、すきまがふさがっている。
受粉から約5ヶ月後
種子錐はほぼ球形
鱗片を剥ぎ取ると種子が見える
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