基礎生物学実験II(植物形態学): ツワブキ(2)
目次: 1.花 | 2.花と果実の関係 | 3.細胞と組織
実験2: ツワブキの花のはたらき
観察の目標
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ツワブキの花の送粉様式
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舌状花のはたらき
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昆虫の訪花の必要性
花の形態から、ツワブキが基本的には虫媒花であることは容易に予想できる。しかし、虫媒花であっても、自家受粉をする能力があるために昆虫なしでも結実(実をつけること)できるものもある。そこで、
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実際に昆虫が来ているか。来ているとすれば、どのような種類が来ているか。
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結実に昆虫の訪花が必要か。
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舌状花があるとないとでは、頭花の目立ち方が大きく違う。このことが、結実にどのように作用しているか。
の3点に絞って実験を行う。
手順
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ツワブキの個体群を一定の時間観察し、頭花に止まる昆虫の数や種類(チョウ・ハチ・アブなど、おおざっぱな分類でよい)を記録する(これは、好天のときに限って行う)。
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[袋掛け] ツワブキのつぼみがついている茎(つぼみの数が多いものを選ぶ)から、すでに咲いている+咲き終わった花がある頭花をはさみで切り落とし、茎全体に「流しの水切り用袋」をかぶせ、袋の口を絞ってホッチキスで留め、取れないようにする。このことによって、昆虫がツワブキの頭花に止まれないようにする。
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[舌状花の「舌」の切除] ツワブキのつぼみがついている茎(つぼみの数が多いものを選ぶ)から、すでに咲いている+咲き終わった花がある頭花をはさみで切り落とし、つぼみから舌状花の花冠の広がっている部分をはさみで切り取る。
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「何もしていないもの」「袋掛けをしたもの」「舌状花の花冠を切除したもの」の3つの間で結実率や果実の大きさを比較する。
実験3: 花から果実への発達過程の観察、散布様式の観察
観察の目標
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花から果実への変化における、それぞれの部分の形態の変化
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果実や種子の形態と散布様式の関連
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